巷では懐メロのブームなのか、TVの歌番組でもすいぶんな時間を割いて70年代80年代の流行歌を特集していたりします。
わざわざその古のヒット曲を歌っていた歌手の方をお呼びしてスタジオで歌ってもらったりとか。
好きだった歌を久しぶりに聞けたりするのは嫌いじゃないし、オレも一緒に口ずさんで喜んだりもしてるのですが、やはり、生まれ続ける新しい良曲に出逢える喜びというのは、そういうのとは違う、また格別な嬉しさがあるものです。
KAT-TUNのニューアルバム、今回も出来がいいっすよ!
この曲にのせて、やつらが歌い踊ったら、それはもうどんなにかかっこいい事だろう素敵だろう、って感じの正統な「良曲」ぞろい。
そして、6人それぞれのソロ曲が、もう、本当にすばらしい。
百花繚乱、もとい「六」花撩乱、誇らしげに咲きそろいました。
これだけ、らしく一人一人やりたい曲やった事だろうに、どれ一つとして印象がカブってないというのが。
すげえ。
カツンさん達って本当に、「誰にも似ていない貴方は貴方」で「世界に一つだけの花」、なのね(笑)。

たっちゃんのソロ曲は「花の舞う街」、作詞作曲ご本人による綺麗なミディアムテンポの楽曲です。
ロミジュリ公演中に作ったという事で、ロミオとジュリエットがあのまま死なないで結ばれたら…というイメージで書いた曲との事。

ロミジュリ舞台では一度も泣かなかった心の汚れた大人(笑)なオレが、
初聞きからもう泣きました。

「まずは出会った花の舞う街を”並んで”歩こう」
のところで
不覚にも、涙がダダダーーーっ☆

舞台のロミジュリもね、泣きはしなかったけどオレ決して感動してなかったわけじゃないの。
むしろ
行き違いから自刀してしまったジュリエットが手紙で
「あなたと何がしたいかといえば、まず歩きたいあなたと2人で」
とあまりにささやかな夢をロミオに書き綴っていたところとか、今思い出しても胸が苦しくなるくらい心にギュッときていた。
あんなに美しく生まれ育って、何不自由ない良家の子息で子女で、周りを愛し周りに愛されお互いを思いあっていたロミオとジュリエットが、どうしてこんな「好きな人と歩く」なんてささやかな夢さえ、叶える事が出来なかったのだろう、って。
最後、2人が天国への階段を登っていった時も、寄り添ってはいたけど、その表情は憂いをたたえて笑顔はなかったから。
ずっとせつない気持ちのまま、上田版「ロミオとジュリエット」の世界は私の中で完結していたんです。
なんか悲惨すぎてやりきれなくてね、反対に泣く事ができなかったんだ。

そんな時に、この「花の舞う街」です。
小田さん節をどこか彷彿とさせるような綺麗でせつないメロディにのせて、幸せに思い合うロミオとジュリエットがそこには歌われていました。
目が合って出会って、くすぐったく両想いになって、手を繋いで…、

たっちゃんは唄います。

「あの日君が話した夢を 2人で叶えてゆこう
まずは出会った花の舞う街を”並んで”歩こう
春の日差しを浴びたり 2人で笑い合おう」

ああ、ジュリエットの夢が叶った。
それが、どんなに幸せで、かけがえのない叶わぬ夢か知っているから、と慟哭していたロミオが
今、愛する人の可愛いささやかな夢を叶えてあげたんだ…。

うわあ、やばい。
きたきた、ダイレクトにきたよ。
幸せな2人の気持ちが。

で、号泣。

ああ、オレってば。
(笑)


だってねー、宝塚とかでもね、何が好きって、どんなにお芝居のラストが悲惨でも、その後のショーで、みんな笑いあって綺麗なデュエットダンスとか踊ってくれるでしょ。
あれが、ああいうのが好きなんだもん。
どんなに悲惨に引き裂かれた男女も、意地悪だった敵役も、みんな笑顔でかっこよく。。。
あれで、くぅーっとすっきり日頃の憂さも吹き飛んでしまうのさ。
だからね。
えーと、なんだっけ。
そうそう、だからね、
たっちゃん、素敵な曲をありがとう。
たっちゃんの曲を聞いて、ロミオとジュリエットが幸せそうな笑顔で寄り添って歩く姿が、オレにも見えたよ☆

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